魚介(第36回) マス(パート2)

春の風を感じると、つい口ずさんでしまう唄がある。小田さんの「ためらわない、迷わない」。

「あまり晴れていたから この海が見たくて
あの頃の僕等が遥かに見える気がして

こんな今の自分を 重ねてみれば
変りすぎたすべてに涙流れる

ためらわない 迷わない 何をいわれても
まわりのすべてのこと 気にしないで
すなおな気持ちで 駆けぬけてみたい
あの頃の心に 今 帰りたい」

あの頃に戻りたい、帰りたいと思っても、現実問題、不可能。それでも、不思議なことに心は若返ってくる。
人生のやり直しは不可能。現在の自分は過去の自分の積み上げ。そして、過去の自分を変えることはできない。人生、本当にやり直そうと思ったら、時を遡り、やり直しを始めたいと思う時点まで戻る必要がある。けれど、それはできない。
ただし、救いがあるとすれば、少しの可能性に賭けながら、前向きな態度を心がけながら、未来へのベクトルの向きに修正をかけることはできそうだということ。もちろん、時間はかかるだろう。徒労に終わるかもしれない。また、自分が思うようにことが進まないかもしれない。でも、まだ、既成事実化していない。確定してない。これからだ。

それでは、マスのパート2です。

Trout is as popular on the menus of Italian restaurants / as it is with ordinary Italians./ The people of the northern regions have an especially strong tradition in cooking this lovely fish./ Smaller trout, called trotelle, are simply fried in butter, / but all types of trout are grilled, baked al cartoccio (in a paper bag) / and even marinated in carpione or, as they do exceptionally well in Umbria, served with truffles, trota al tartufo./

マスはイタリアのレストランの人気メニューであるとともに、イタリア人の好物です。特に北方のイタリア人には、マス調理の伝統が残っています。トロテッレと呼ばれる小型のマスはバターでソテーします。マスは、その種類を問わず、網焼きしたり、紙袋に入れてオーブンで焼いたり、さらには揚げてマリネしたりして食べることができます。また、とくにウンブリア州では、トリュフと一緒に供されます(トルタ・アル・タルテュフォ)。

as A on B as it is with Cの構造が見えるかどうかです。as it is with Cで「Cに関するのと同様に」。もうひとつas A on Bを持ってきて同等比較になるのですが、注意が必要です。つまり、as A on B as it is with Cは「(主語は)Cに関するのと同様に、BにおいてもAである」という意味になり、as A on B as C「(主語は)BにおいてCはAである」ではないということです。仮に後者の形を取ると、標記の文は「マスは、イタリア人と同じくらいイタリアレストランの人気メニューです」となり、マスもイタリア人も食事の対象になってしまいます。