なんば

え〜と、地下鉄の改札をでて、と。
あてどもなく、地上へ。


ふらふらと、彷徨うようにアーケードの中へ。
ふらふら。
あっ、自由軒だ。

昔、一度、来たことあるな。
ドライカレーの上に、生卵のっけ。
でも、今日は食べたいとは思わない。


ふらふら。
おお、たこが!

凄まじいたこ焼き屋だ。
これって、チェーン店でしょ?


...グリコの巨大看板付近に架かる橋。
下に降りて、東に歩く。


船が来た。

乗ってる皆さんは、団体さんかな。
...こちらに手を振るおばさんたち。
誰に手を振ってるのだろうと振り向く。
誰もいない。
「えっ、僕?」と、自分を指さすと、おばさんたちはいっせいに、頷く。
人は、酔うと何でもするな。


...しばらく行くと、「うなぎ釣堀」の看板が。

新名所になるようなこと言ってるけど、ホントかね。


串カツ屋の看板。

中心から少し離れたところにあるから、少しは安いのかと思いきや。
あらら、何て強気な。


...川を越えて、初めての角にたこ焼き屋。


「たこ焼き頂戴」
「はい、いらっしゃいませ。
ソースは3種類ございます。
どのようになさいましょう」


驚きだ。
何だ、この爽やかで、明るい応対は。
決して投げやりでなく。


怖い。
気持ち悪いぐらい、快活だ。


で、それに感動して、たこ焼きを一船、購入。
ついでにビールも購入。
「一本、500円か」
「申し訳ございません。
若干、高くなっておりますが、ご容赦ください」


これまた驚きだ。
雇われ店長なんだろうけど。
なぜにこんなに平身低頭で、接してくるんだ。
慇懃に無礼がくっついてくるぞ。
何かあるのか。


まぁ、いいか。
ビール飲んで、たこ焼き食べよう。


...さぁ、帰ろう。