ポークソテー

「このお肉の脂、あまいのよね」

デパートの肉売り場でウインドウの中を覗いていると、隣にいたおばさんがそう言った。

 

そのあまさは、もちろん、砂糖の甘さではなく、旨みに由来するもの。

調味料に仄かなあまさのある、あの感じ。

 

上質な脂身を口にすると、「ああ、この肉、大切に仕上げられたんだな」と思う。

多少値が張っても、「たまに食べるんだからさ」と理由をつけて、買い物かごに入れる。

 

僕の歳になると、「おいしいものを少しずつ」口にすれば、もうそれで、お腹がいっぱいになる。

もはや、食欲凄まじき高校生ではない。

 

厚めの肉を切り分けて、何人かで食べる。

一切れ、二切れでいい。

f:id:cookingenglish0508:20160914172457j:plain

このロース、脂がうまいんだ。

ほんと、脂があまくて。

トロロ。