スマホは現代人の免許証。
最近、そんな気持ちになったことが2回。
ひとつは、何かの申し込みをしようと思って相手先にコンタクトを取ったら、
「QRコードを読み込んでもらって…」
「ああ、あの、僕、スマホを持ってないんです」
「そうですか、困りましたね」
「QRコード以外の手段は?」
「ええと、そうなるとちょっと手間がかかるんですが…」
「そうですか」
「すみません、そういうシステムになっているもで…」
「いや、いいんですよ。それでは…」
是が非でも申し込む必要がある、といった類のものではなかったのでそれで済ませた。
もう一つは、アプリ会員。
アプリ会員になれと迫る店員がいるんだけれど。
会員になるととてもお得だと口説いてはくるものの。
「僕、スマホもってないから」
現代の生存権はスマホとともにあるんだろうな、なんて思ってしまう。
ミニマリストを標榜する私としては、いろいろなガジェットを持ちたいくない。
でも、そうもいかなくなるのかな。
最新鋭の機器を身に纏い、未来に挑んでいく初老。
ステイホームなところへきて人付き合いもない。
外部とコンタクトを取ることが強く求められてはいない。
日中はラジオ、食事時にテレビでニュース。
朝食後と就寝前にネットをサーフ。
常に電子機器に晒された、デジタルな生活ってどんなもの?
自分も自分の日常も、加速に加速を重ねていくような気がしてしまう。
何かをするのに手間暇かけるアナログな時間は不要?。
異常な加速は、焦りや不安に通じやしないだろうか。
ぼんやりすることを「時間の無駄」と考える。
お得を求めていないと「損をしている」と考える。
便利になれば寄り道も遠回りも必要なくなる。
無駄や損失も減るだろう。
でも、寄り道や遠回りが教えてくれることもある、と思っていたい。
それに「知らないから幸せでいられる」ということもあるし。