ありがとう

作業しながら、NHK第二放送に耳を傾けていた。

話をしていたのは、尼さんだと思うのだけれど。

 

「『ありがとう』に対立する言葉がわかりますか?」

と、尼さん。

何だろう。

『不要です』、『迷惑です』、なんてところかな?

 

で、尼さんの答は、

「『当たり前』なんですね」

 

そうか。

『ありがとう』は『有り難し』。

で、難なく有るのが対立する語で、『当たり前』か。

 

『ありがとう』は、時として形式的に使われがちで、その言葉のありがたみが感じられないこともある。

店員の使う『ありがとうございます』は、「あたな、本当にそう思ってる?」と聞き返したくなることがあるし。

 

その一方で、やって当たり前、できて当たり前、という感じで、『ありがとう』を口にしない客がいる。

煩わしさを感じるぐらいなら、また、その気がないのなら、無理をして『ありがとう』なんて言う必要はないんだろう。

聞かされる方は、「なんだそれは」と思ってしまう。

 

でも、まぁ、そうであったとしても、『ありがとう』は、ないよりはあったほうがいいだろうな。

もちろん、心の中で発するのではなく、口にして欲しい。

その言葉ひとつで、一通りのコミュニケーションに区切りがつくような気がするから。

モヤモヤが残ったとしても。