正食生活術を読んで(2)

不必要なものを「捨てる」がキーワードだと書いた。
では、捨てて何をするのか?
大切なものを「拾う」のである。または、大切なものを「残す」のである。
でもそれが、なかなかどうして、大変なんだよね。


...この3つの視点は、同著内の「一害を除く」「判断力の向上」「見えないところが大事」「量は質を変えず」「自然治癒力」「多岐亡羊」「人の貴賤の分かれ目は飲食にあり」「習慣の重要性」「種子」「道は近きにあり」「過ぎたるは及ばざるがごとし」「正食の正当性」「至福」「ああ日本」「四殺を転じて四活に」「三省」「不義にして富むものは浮雲の如し」「美食・飽食を戒める」「世界は一つ」「兵の身は常の日にあり」「食の秩序」「本質からずれた狂牛病騒動」「教育について」と記された、それぞれのエッセイの中に埋め込まれています。


「捨てる」のは、なかなか難しいことです。アタマでわかっていてもココロがついていかない、動作が伴わないということは、往々にしてあります。またそれ以前に、人は概して、当然であると考えているモノやコトが、実は誤りであるなんて、余程のことがなければ気が付けないものです。他人に指摘されたら憤慨することだってあるかもしれません。生活習慣の一部を捨てるのは、ゴミを捨てるように簡単にはいきません。


シンプルライフ、断捨離、ダイエット。現代人は、今、自分が抱えているものを少しでも減らして、心身の平穏を取り戻そうとしているかのようです。もちろん、実行しているかどうかは別問題ですが。それでも、自分の欲望が生み出した結果に対して責任を持たず、平気で生活しているよりはましです。よい方向に進みたいという気持ちがあるのなら、そうすべきです。しかし、悲しいかな、継続できる方法が見つからず、中途で挫折してしまうのが大半ではないでしょうか。