小さく見えたけど、肉厚だな、この赤舌平目。
目玉のついている方の皮を剥がす。
指先に塩をつけて、口の辺りをズリズリ、そして、ビリビリ尻尾まで。
もう一方の皮は、トロトロおいしくなるので、残します。
頭を落として、内臓を掃除して、と。
ヒラメを二等分して、頭の方と尻尾の方に分ける。
水気を切って、粉をはたいて。
油とバターを合わせたものを熱したフライパンに滑り込ませる。
「ヒラメの周囲に見える泡が消えない程度の火力でやってください」と、講師。
おお、周囲がカリッしてきているのが分かる。
魚を返すタイミング。
「じっくりと熱を入れてくださいね。ヒラメの骨から旨みが溶け出すまで、魚に油を掛け続けてください」と、講師。
仕上がりのサインは、魚の「弾力」。
後は、魚の水分が抜けることで、油の立てる音が静かになること。
いいんじゃない?
網の上に取り出す。
その間に、ブール・ノワゼット作り。
材料は、バター、アンチョビ、ニンニク、ケイパー、パセリ、レモン汁。
「ノワゼット」なのだけど、色が暗いソースは避けたいなぁ。
と、いうことで、わがままを通して、澄んだソースで。
自画自賛で申し訳ないが、おいしい...。
それはもちろん、いい材料、いい素材だからのこと。
脂がのって、口の中で溶けるよう。
肉も十分ついている。
遠くからやって来た甲斐があるっていうものだ。