フランクフルト・アム・マインの語学校に通っていた頃。
授業は14:00で終わり。
語学力向上を考えるなら、ステイ先に戻るか、学校に残って予習・復習をするべきなのだが...。
心ウキウキで旧市街に出かけて。
「今日は、何を食べよう?」なんて考えながら、街をぶらつく。
小さな広場に面して、1軒の肉屋があった。
肉屋は、その店先で、いろんな種類のソーセージを焼いていた。
白・黒・茶色・縞...。
そこには小太りのおばさんがいて、適当なペースでやって来る客のためにせっせと働いていた。
おばさんの後ろでは、ショーケースに入ったビールが冷えていて。
ポテトチップスなんかも置いてあって。
この店、とてもお気に入りだった。
値段を訊くこともせず、焼きあがっているだろうソーセージを指さして。
おばさんはそのソーセージを、切り込みの入ったパンの上にポンッと載せて。
"Mit Ketchup? Mit Senf?" と私に尋ねる。
"Beide." と答えて、両方をかけてもらう。
ドイツ式ホットドッグの完成。
一緒に買ったビールと一緒に、店先のベンチに座って食べる。
よく通ったよね。
それより、よく、飽きなかったよね。
よっぽどソーセージが旨かったんだろう。
こんなおいしそうなソーセージが近所のスーパーで買える時代。
時は流れているんだな。
そして、長生きはするものだ。