愛か慈悲か

先日、ラジオを聴いていると、高名なお坊さんが興味深いことをいっていた。
「キリスト教では『愛』を説きますが、仏教では『慈悲』を説きます」
慈悲か。慈悲は憐憫の情も含むのだろうか。可哀想だ、同情してしまう、といった感情も含むのだろうか。
水平的な愛情は、ときに妬みや憎しみの感情を生む。自分と相手が同レベルにいるという前提が、「なぜ私には無くて、私以外の誰かには有るのだろうか」という比較を生むことと関係してはいないだろうか。
一方、垂直的な愛情はどうか。上は決して触れてはいけない崇高な存在。下は、深い情をもって接すべき愛しき存在。私に「無く」て、そして彼らには「有る」としても、納得はいくだろう(多少、歪んだ感情を抱いたとしても)。なぜなら、あれこれ思ったところで、仕方が無いことだからだ。
「仕方が無いじゃないか」を口癖にしていたら弱腰だといわれかねないが、「仕方が無いな」と嘯(うそぶ)くことができれば、寛大で温厚な人だとプラスの評価をもらえるかもしれない。


では、第49回です。次回から、final section 製菓理論です。

1.a. 基礎代謝量とは、身体的、精神的に安静な状態で代謝される最小のエネルギー代謝量であり、生きていくために必要な最少のエネルギー代謝量である。
b. 栄養素は種類によってその働きが異なるが、熱量素、構成素、調整素に大別できる。
c. 人体は、約30種類の元素で構成されている。
d. 日本人の食事摂取基準は、年齢別、性別の基準体位をもとに作成され、ほほ5年ごとに改定されている。
2.糖尿病
a. 膵臓のランゲルハンス島β細胞から分泌されるホルモンが不足したり、その働きが悪くなって起こる病気である。
b. エネルギーの過剰、肥満は糖尿病にとってよくない。
c. 決められたエネルギーの中で、たんぱく質、脂質、炭水化物をバランスよく摂る。
d. 炭水化物食品の中では、砂糖よりデンプンが良く、食物繊維は、食後の急激な血糖値の上昇を抑制する。
3.ビタミンとその欠乏症
a. ビタミンA―夜盲症
b. ビタミンC―壊血病
c. ビタミンE―脂肪吸収阻害、溶血性貧血(未熟児、乳幼児)、神経障害
d. ナイアシン―ペラグラ
4.食事バランスガイド
a. 農林水産省および厚生労働省から示された。
b. 国民の健康づくり、生活習慣病予防、食料自給率の向上をねらいとして作成された。
c. 「食事」の基本を身につけるためのもので、コマのイラストで表している。
d. 「主食」「副菜」「主菜」「牛乳・乳製品」「果物」の5つに区分されている。
5.ホルモン
a. 甲状腺ホルモンは、甲状腺の裏側にある副甲状腺から出るたんぱく性のホルモンで、カルシウムとリンの代謝に関与している。
b. 副腎髄質ホルモンは、交感神経の末端を刺激して、毛細血管を収縮させ、血圧を上昇させる。
c. 副腎皮質ホルモンであるグルココルチコイドは、炭水化物とたんぱく質の代謝に関与し、組織たんぱく質を分解してブドウ糖を作る。
d. 副腎皮質ホルモンであるアルドステロンは、塩類と水分代謝に関係するホルモンで、副腎の尿細管でナトリウムの再吸収を促し、カリウムを排泄して、両者の均衡を保つ働きがある。
e. 成長ホルモンは、脳下垂体前葉から分泌され、たんぱく質の合成と蓄積を促す。
6.a. 果糖は単糖類である。
b. オレイン酸、エイコサペンタエン酸は不飽和脂肪酸である。
c. リノール酸、(α-)リノレン酸、アラキドン酸は必須脂肪酸である。
d. 米、小麦の第1制限アミノ酸は、リジンである。
e. 乳糖は二糖類である。