カレーを食べ始めた。
鼻の奥でジュルジュルと。
「ああ、鼻水かな」と鼻孔に指先を当てる。
紅い!
そして、ひたひたと一筋二筋。
おいおい、生まれてこの方、鼻血なんて出したことないのに。
鼻腔にティッシュを詰める。
暫くは良さそうなのだが、だめだ、逆流して喉に入ってくる。
席を立って、洗面台に。
ぽたっ、ぽたっと、規則的な流れ落ちる鮮血を眺めながら30分。
滴る間隔が長くなってきたところで、再びティッシュを詰める。
奥まで入れて傷口を広げてはいけないから、入り口のあたりで栓をする。
体表にできた傷なら、救急絆創膏で何とかなるんだろうけど。
鼻の奥だものな。
手当のしようがない。
しかし、なんで鼻血が。
鼻血なんて、漫画やドラマの世界のものだと思っていたけど。
自分の無力さをこんなに感じさせるものだったなんて。