文法コーナーについての説明 (再掲)

今回は、ちょっと小休止。休みついでに、<文法>のコーナーで取り上げた<01>や<02>などの記号についての私の話に耳を傾けてください。
お気付きの通り、テクストはフレーズ・リーディングで読み進めています。フレーズ・リーディングは文意をとる上で大変有効な手段です。ただし、フレーズ間の関係、フレーズ内の語句間の関係が見えにくいという難点があるのも事実です。ここで取り上げる記号は、そのような難点を少しでも解消しようと考えた結果生まれてきたものです。記号は、(1)テクストはできる限り「生」がよい、(2)過剰な加工はテクストを読みづらくするという2点を考慮し、あえて示す必要がないと思われる場合は示しません。
●<01>_<01>は動詞との関連、としています。これは、ある文中の動詞を先行の<01>で示し、(文意をとる上で)動詞と結びつく優先度が高い語句または情報を後続の<01>で示すものです。主語や目的語は明らかに優先度の高い語句または情報ですから、原則、記号をつけて示しません。後続の<01>として選んでいる語句または情報は...

  1. 句動詞の構成要素(前置詞・副詞)
  2. 動作の時点(いつ)、動作の起点(いつから)、動作の場所(どこで)、動作の着点・方向(どこへ)、様態(どのように)、動作の結果(どうなる)、手段
  3. 状態変化の起点(いつから)、状態変化の期間(どのくらい)、状態変化の場所(どこで)、状態変化の着点・方向(どこへ)、様態(どのように)、状態変化の結果(どうなる)

動作と状態変化に関しては、いわゆる5W1Hに相当するものです。
●<02>_<02>は小節、としています。聞き慣れない言葉かと思いますが、私の日記のなかでは、広義の「文の主語・述語に対応する主述の関係」ととらえて使っています。「SVOCのOCは意味上の主語と述語の関係になっています」という説明をお聞きになったことがあるかと思います。まさにそれです。そして、それを含みます。
●<03>_<03>は修飾関係、としています。修飾は、形容詞的修飾と副詞的修飾の2つを含みます。副詞的修飾は、目的を示す修飾と様態2を示す修飾に分けています。

  1. 目的「〜するために」:I got up early to take the train. ==> I got up early because I had to take the train. / I saved money to be rich. ==> I saved money because I wanted to be rich. のように主節+従属節の文に書き換えることが可能なことからも分かる通り、目的を表す語句または情報は主文に加えられる(主文を修飾するもの)です。
  2. 付帯条件「〜しながら」「〜ではあるが」など:分詞構文のように、主文に付随する情報です。
  3. 従属節と主節の関係も、ここに含めます。

●<04>_<04>は共起関係です。たとえば、so A that B、too A to B、not only A but also B のように、一方の語句が現れたらもう一方の語句も現れるといった関係を示します。
●<05>_<05>は照応関係、としています。パタンとしては、後続の<05>が先行の<05>を照応する「前方照応」と、先行の<05>が後続の<05>を照応する「後方照応」があります。
●<06>_<06>は並列関係です。これは同文中に、複数の主語、動詞または目的語が現れた場合に示されます。
●<07>は省略です。示された箇所で省略が行われていることを示します。
●<08>_<08>は移動を示します。動詞または前置詞の目的語が移動する場合に用いられます。
●<09>は同格を示します。「A、つまりB」の関係で示されます。
広く、「BがAの補足情報である場合」とします。
●<10>_<10>は挿入を示します。挿入句は先行の<10>と後続の<10>で挟んで示します。
私がこの日記で使おうと思っている10個の記号を紹介しました。