チャポンと音を立てて湯船に浸かる。
ボォ~っとできる貴重な時間。
今は存在して当然で、「ああ、時代は変わったな」と思わせるものがある。
電話を持って歩けなかった頃、トランシーバーが欲しかった。
携帯電話あるんだもの、トランシーバーなんて、まず、必要ないな。
外国の雰囲気に浸りたくて、短波ラジオが欲しかった。
インターネットの時代、短波ラジオなんて未開の土地に行かない限り必要ないね。
田舎の商店街、正月三が日はゴーストタウン。
今は年中無休のコンビニから始まって、正月2日から商売を始めるのは普通。
高校時代、自転車のカゴにLPレコードを突っ込んで、時々、地面に落して泣いたりして。
そのうちCDが出て、今ではデータで売買できるんだものな。
音楽と言えばウォークマン。
「ああ、カセットテープが絡まった」「ああ、あの曲は120分テープの最後の方に録音してあるんだ。早送り、時間かかるな」「うわぁ、電池切れだ!」
あと、ナビゲーション・システムも忘れちゃいけない。
道路地図とにらめっこしながら運転する必要がないなんて。
短小軽薄だっけ?
時代は弛まず、そこに向かっていった。
ついでに、速と即も加えて、短小軽薄速即。
「なくてもいいけど、あったら便利」なんて言ってられない。
今じゃ、「なければダメ」。
便利なものは使いこなせなくちゃ。
さて、風呂から出るか。