僕等の時代

「あなたの時代が終わったわけでなく

あなたが僕たちと歩こうとしないだけ」

 

と、小田さんが歌っていたのは30代の頃だと思うけど。

還暦を迎えた小田さんは、自分が書いたこの詩を、どんな思いで読み返すだろうか。

 

自分の30代。

「もう、あのおっさん、動かないなぁ。

パッパと決めて、テキパキとやってよぉ!」

なんて思ってたけど。

 

歳を取って、今、あの頃を振りかえると、僕はかなり嫌な奴だった。

しなくてもよいことをしていたような気がする。

何十年も経ってから、心を痛めている。

 

僕は、まだいい。

苦い思いをしながらも、反省できる余地を残しているのだから。

でも、嫌な思いをさせた人たちの心は、どうしたって癒すことができない。

過去には戻れないし、やり直すことはできない。

 

人は憂えて優しくなる、と考える人がいるらしい。

それは、僕にとってせめてもの慰め。

なぜあんなことを言ってしまったのだろう、やってしまったのだろうと振り返り、悩み、そこから思いやる気持ちが芽生える。

 

ナイーブなのは、いかんなぁ。

人と触れあって、擦れあっていれば、いいことばかりじゃない。

「ああ、またやっちゃった。

学習能力がないなぁ」

と、ガックリとしながらも、進むしかないんだろうな。