トースト

高校の裏門を出たところに喫茶店があった。

若いから、四六時中、腹を空かせていた。

退屈な日本史の授業なんかは、サボって、出かけてしまう。

 

「厚切りトーストセット 350円」

他のメニューには目もくれず、そればかり。

僕達は、あれを「ぶ厚切りトースト」と呼んでいた。

ポケットの中には小銭しかないような高校生の、力強い味方...。

 

今、同じものが食べられるか?と訊かれたら、NOだろうな。

あんなパンの塊、半分も食べたらGive up。

 

僕の胃袋は、朝に少し、この程度のものを食せば充分。

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パンにバターを塗っただけのものを食べて満足していたんだから。

お幸せな高校生だったんだなぁ。