何を褒めるか

相手の脳みそをイキイキとさせておくためには、「あなたは頭が良いわね」と褒めるより、「あなたは努力家ね」と褒める方がいいと聞いた。

 

この両者に、易しい問題と難しい問題を用意する。

「頭が良いね」と褒められた人は、その評価を維持するために、易しい問題を選び、100点の答を出そうとする傾向があるという。

脳には負荷がかからないから、それはトレーニング不足の身体のようになる。

 

一方、「努力家ね」と褒められた人は、難しい問題を選び、苦労をものともせずに答にたどり着こうとする。

脳には、筋力トレーニングよろしく負荷がかかり、活性化する。

 

では、「脳」ではなく「付き合う相手」という観点で見たらどうだろう。

 

前者は、なんとも「手抜きヤツ」な感じが否めない。

でも、無謀な冒険を求め、余計な事をする輩に比べたら、好ましいような気がする。

 

後者のように、課題に果敢に挑む人も素敵だ。

歯を食いしばって、重い足腰を少しずつ動かしながら前に進もうとする姿勢は、評価に値する。

ただ、周囲は、努力家であるというだけでは認めてくれない。

「君の努力は認めるよ。

でもね、結果が出てないじゃない。

時間と金の無駄遣いなんだよ」

(よく聞くフレーズだな。)

 

敢えて、何も選ばず、何もしないという選択肢もあるなぁ。

問題とか課題とかに煩わされず、失敗することもない。

それはダメと言われそうだけれど、これもひとつの生き方。

 

時に賢く、時に努力家で、まれに何もしない。

そういう処世を身に付けることができたらどんなにいいだろう。

「あのオヤヂ、タヌキだよな」なんて言われたって、気にしない。