飼い主は、ネコの喜ぶ姿が見たくて、缶詰に手を伸ばす。
まず見るのは値段かな。
小さい缶詰で、一缶120円の「金缶」。
これは、スペシャル・デーのために。
日常用として、1ランク下の「黒缶」。
まぁ、目をまん丸くして。
シラス入りの缶詰、喜ぶだろうか?
いくらおいしいからと言って、同じメーカーではあきるだろう。
と、いうことで、さらにワンランク下の「シラス入り」。
「う、何だ?」ってな感じで見上げてる。
もう一種類買っておこうか。
これは「マグロ」。
廉価というだけで、決定。
しかし、最後のは失敗だった。
チビ太は「こんなもの食えるか!」と大騒ぎするし。
ロランは砂を掛けるふりをするし。
チャイロのオヤヂは、鼻先だけつけて、どこかに行ってしまうし。
たしかに、この缶詰のネコはいただけないな。
「もう、うんざり」みたいな顔をしている。
嫌々食べたんだろうな。
そもそも、これ、野良猫じゃないの?
困ったね。
これ、4缶も買っちゃった。
またたびでも振りかけて、だましだまし食べさせるか。
結局、安物買いの銭失い...。