「風が冷たくなってきたなぁ」
「ロラン、なんか、静かだね」
「ああ、夏も終わりだ」
「葉が黄色くなってきたね」
「秋が来るからね」
「秋はどこから来るの?」
「あっちから」
「あっちって、どっち?」
「あの山の向こう」
「いつ来るの?」
「もう、来るよ」
「そしたら、どうなるの?」
「涼しくなったと思ったら、あっと言う間に寒くなる」
「それから?」
「冬が来て、雪が降るんだよ」
...ああ、冬支度か。
そうこうしているうちに、今年も終わり。
財布の中の一万円札が、いつまにか小銭になっているように。
「まだ、こんなにあるぞ」と思っていても、あっという間に「もう、これしかない」状態。
時の無駄遣いをしないようにしなければ...。