動くものがあると、つい、手が伸びてしまう。
本能に衝き動かされ、理性の入り込む隙はない。
神が与え給う素質に、抗うことはできない。
ロランの肢の先には、すずめが一羽。
相手が動けば、自分の体も動いてしまう。
獲物は、へび、かねちょろ、ねずみ、バッタ、カマキリ、鳥類...。
大昔に読んだ本によれば、ネコは獲物を家に持ち帰り、その家の住人に狩の仕方を教えたつもりになっている、とのこと。
狩りをしている、まさにその場面を見せなければ、狩りの仕方を教えることにはならないと思うけど...。
ロランの肉球を見る。
彼の肉球には、シミのような模様がある。
聞くところによれば、模様があるネコは狩りをするらしい。
一方、肉球が単色なら、そのネコは狩りが苦手。
チビ太のそれは単色で、狩りはせず、せいぜい外敵を追う程度。
他のネコたちはどうなのだろう。