チンクエ・テッレのリオマッジョーレの寄ったときのこと。
フリータイムで、一人でブラブラしていたら、同行のイタリア人ガイドさんと出くわした。
彼女も同じくブラブラしていたようだった。
ガイドさん、訛りの強い英語で、「知人が、この坂の上でショップを開いているから行かないか」と私を誘う。
ガイドが連れて行く先など、あまり信用できないな。
私に何かを買わせて、店から1割ぐらいキックバックをもらうんでしょ?
でも、まぁ、時間もあるし。
それに、気に入らなければ、買わなければいいわけで。
店に入ると、ニコニコしたお兄さんが。
30代半ば、といったところか。
どうも自家製ワインが自慢らしい。
曰く、この土地のブドウで作る、特別なワイン。
何種類か、注いでは飲ませてくれる。
たしかに、おいしい。
でも、瓶は重いしなぁ。
10分も経って、そろそろ帰ろうとする。
相手はどう出るかな、と思ったら。
「ご来店ありがとう。よい旅を!」
あらま。
そう来たか。
疑い深い自分を少し恥じて。
いや、まぁ、何か買わせてもらうよぉ...。
振り返ると、そこにはアンチョビーの瓶詰が並べられていた。
カウンターに置いて、
"Prendo questo." と言うと。
えっ、買ってくれるの、といった感じの表情。
このお兄さん、端から、自家製ワインの自慢話がしたかっただけなのだろうか?
...日本に帰って、瓶を開けてみる。
香りは独特。
発酵してまっせ、といった感じ。
味は...おいしいじゃん。
少し塩辛いけど、深い味わい。
これは、いい買い物だった。
さて、まずは、どうしよう。
そうだね。
2~3枚、ご飯に載せて食べてみよう。
きっとおいしいよ。
そのあとは?
もちろん、ピザ、パスタだね。