サイドカーに犬

昨日、特別な理由もなく、この映画を観た。

 

決して刺激的ではないタイトル。

意味不明な映画だったら、後で後悔するだろう。

はたまた、余りに情緒的な映画だったら、退屈だろうな。

...なんてことを考えながら、見始めて...。

 

ああ、幼少期を回顧する映画か。

ミムラ扮する女性が、10歳の頃の自分を思い出す。

母(鈴木砂羽)が父(古田新太)に見切りをつけて、家を出ていく。

母と入れ代わりに、ヨーコという女性(竹内結子)という女性がやってきて、身の回りの世話をしてくれる...。

 

最初の30分ぐらいまでは「観なくてもいいかな」という気持ちが過っていたけど。

母親に残された少女と、ヨーコとのやり取りが面白くなってきて。

ビクつきやすい少女と、クールに振る舞うヨーコ。

ヨーコという女性は、少女の母親とは対照的な人で。

少女はそんなヨーコに憧れを抱いていく...。

 

ヨーコのように、フッと現れて、誰かに大きな影響を与えて、スッと消えていく人って、いるよなぁ。

男女を問わず。

 

とても相性がよくて、この人とならうまくやれるなと思えて。

でも、自分の人生と、相手の人生の絡みはあっという間に終わって。

喧嘩別れしたわけでもなく。

そう、自分の時間軸と相手の時間軸が、クロスしただけの人。

でも、 世の中、こんな人ばかりだったらいいのに、と思わせてくれた人。

 

一緒にいる時は、それが如何に幸せであるのかに気づかない。

別れて初めて気づく。

 

遠い存在だから、それだけ美化している。

そうかもしれない。

嫌なところも、結構、あったかもしれない。

でも、そうであったとしても、自分の心を時めかせてくれたことは事実。

 

...そんなことを考えながら、映画を観終えた。

刺激も興奮もなかったけれど。

でも、「あの人は、今、どうしているだろう?」といった、私の sentiment を動かした。

見始めで、チャンネルを変えなくてよかった。