甘いバルサミコ

ボトルに貼られているシール。
イチゴに、一筋のバルサミコ。


う〜ん、ここまでくると、もはや「酢」ではないな。
パンケーキにかけてもおいしい。


...スタンダール
「結晶作用」


たしかに、適当な時間と距離は、甘い想いを強めてくれる。
いつしか、「もう一人のその人」を、心の中に作り出していく。
その人は、限りなく自分の理想に近い。
否、理想そのものである。


そして、ある日、現実と仮想の乖離に気づく。
結晶は、所詮、脆いもの。
何かの拍子に、簡単に、音を立てて崩れていく。
何気ない言葉、何気ない仕草ひとつで。


いいなぁ、と感じたら近づかないこと。
故郷ではないが、「遠くにありて思うもの」。
その方が、100倍、愛せるかもしれない。