この語句は面白い。
文脈に応じて、「さっき」とも「(また)後で」とも訳される。
きっと、原義は、「時間的に現在に近い」ということなのだろう。
だから、過去の出来事に関して使っても、未来の出来事に関して使っても、問題ない。
両義性という観点から、日本語にも似たケースがある。
それは「適当」。
「適当な人」と聞いただけでは、それが、appropriate を意味するのか、irresponsible を意味するのかは、俄かにはわからない。
適当な人材とか適当なヤツとか言われれば、問題ないのだが。
「大辞泉」によれば、
てき‐とう〔‐タウ〕【適当】
[名・形動](スル)
1 ある条件・目的・要求などに、うまくあてはまること。かなっていること。ふさわしいこと。また、そのさま。「工場の建設に―な土地」「この仕事に―する人材」
2 程度などが、ほどよいこと。また、そのさま。「調味料を―に加える」「一日の―な仕事量」
3 やり方などが、いいかげんであること。また、そのさま。悪い意味で用いられる。「客を―にあしらう」「―な返事でごまかす」
うまくあてはまる⇒ほどよい⇒いい加減、という流れなのかな。
この揺るぎが、言葉の面白いところ。