夏は冬にあこがれて

冬は夏に帰りたい
あの頃のこと 今では 素敵に見える

そっと そこに このままで かすかに輝くべきもの
決してもう一度 この手で 触れてはいけないもの
(小田和正 『夏の終わり』)



では、第52回です。

1.パイ
a. 速成折パイは、2回ぐらいの休みをとって仕込みを終える。
b. 練りパイは、小麦粉の中で油脂を細かく刻み、フォンテーヌ状にして食塩、冷水を加えて生地をまとめる。
c. アリュメット・オ・ポムは、パイの中にリンゴが入っている。
d. 折パイは生地を休ませながら、必要回、折りたたむ。
2.純チョコレートの形成作業
スイートチョコレートには異種脂肪が入っていないので、テンパリングが必要である。初めに、40℃内外で攪拌しながら、いったん28℃に下げ、さらに攪拌しながら31℃まで上げて型に流す。
※夏なら、28℃よりもう少し低い温度にしたほうがきれいに固まる。
3.スポンジ(トルテ生地)の仕込み工程における共立法
a. 全卵を割り入れ、ほぐし、ふるった砂糖を加え攪拌混合する。
b. 卵と砂糖を混ぜたものを湯煎にかけ、攪拌しながら37℃〜42℃まで温める。
c. あわ立てた後、ふるった薄力粉を全体に散らすように加え、スパテラで手早く、短時間で混ぜ合わせる。
※ゆっくり混ぜるとグルテンが出てくる。
d. 油脂を加える場合は、あらかじめ湯煎で溶かしたものを、スパテラで受けながら混ぜ合わせる。
4.パータシューの一般的な配合
a. 水―100ml
b. バター―50g (1/2)
c. 小麦粉―75g (3/4)
d. 食塩―1g (1/100)
e. 卵―約3個
5.洋菓子の生地分類
a. アントルメ―ムース
b. イースト菓子―サバラン
c. スポンジ類―ショートケーキ
d. シュー―エクレール
6.シュガーバッター法で生地を仕込み、パラフィン紙を敷いた型に流し入れ、表面にスライスアーモンドを振り掛け、160℃〜170℃のオーブンで焼き上げる菓子―パウンドケーキ
※その他、シュガーバッター法を用いる菓子には、パウンドケーキ(160℃〜170℃)、マドレーヌ(180℃〜190℃)、ラング・ド・シャ(180℃〜190℃)がある。

製菓実技―製パン
1.パンの原材料の小麦粉の保存は、できるだけ低温で湿度の低いところでおこなう。たとえば、温度20℃、湿度65%。
2.ミキシングによる生地の変化
a. つかみ取り段階―材料が雑然と混じっている。
b. 水切れ段階―生地に弾力が出て、くっつかなくなる。
c. 最終結合段階―結合力の頂点で、生地が絹のように光沢を帯びる。
d. 破壊段階―生地は粘着状になり、流動性を帯びる。
3.燃焼率=(窯入れ前の生地重量−窯だし後の生地重量)/ 窯入れ前の生地重量
4.クロワッサンの製造における、フランス粉に対する原料割合
a. イースト 3%
b. 食塩 2%
c. 脱脂粉乳 2%
d. モルト 1%
e. 砂糖 8%
f. バター 2%
g. 水 64%
5.a. 好気性発酵―アルコール発酵、酪酸発酵、酢酸発酵
b. 乳酸発酵―嫌気性発酵
※腐敗発酵も嫌気性発酵である。
6.生地発酵
a. パンの膨張に必要なグルテンは、グリアジンとグルテニンからできている。
b. 生地を伸展しやすい状態にし、生地膜を薄くして生地の酸化を促進させる。
c. 生地が膨れる理由は、酵母による炭酸ガスの発生と、炭酸ガスを逃さないように包み込むグルテンの力によるものである。
d. 炭酸ガスを生地内に貯めておく力が強ければ、パンはよく膨らむ。